【ククサ自作】DIYキットでククサを手作りしてみた!上級者向け編
ククサDIYキットを使って、理想のククサを手づくりしました!今回は作って感じた感想を交えながら、作り方やコツなどをご紹介します。ククサ作りに挑戦する際の参考にしていただけると嬉しいです。
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好きなデザインのククサが作れる
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手間のかかる「くり抜き」「穴あけ」の工程が加工済みで、特殊な工具は必要なし
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ひたすら手を動かして没頭できる
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自分の手で仕上げられるので、愛着がわく
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家でもキャンプでも楽しめる
『ククサDIYキット(上級者向け)』ってどんなもの?
本体はカップ部分がくり抜かれ、外側がざっくり形どられた状態で届きます。
「ククサのDIYキット(上級者向け)」の特徴は、持ち手やカップの外側を好きなデザインに成形できることです。デザインの自由度は高いものの、くり抜きや穴あけは加工済みのため、丸ノミやフックナイフなどの特殊な工具が不要。良いとこどりで気軽に取り組むことができます。
作業時間は毎日コツコツ作って、合計16時間ほど。ただし、筆者は木工初心者かつ非力な20代女性なので、木工クラフトに慣れている方や力の強い方はもう少し早く作業が進むかもしれません。時間を忘れて作業できるので、おうち時間や、キャンプの空き時間にトライして、自分で作ったこだわりのククサでコーヒーを飲んだら最高...と思いました。
◎商品ページはこちら
◎まずは手始めに、3時間程度で作れる初心者向けはこちら
■キットの内容
キットに含まれているものはこちら。
・ククサ本体(未完成品)1個
・サンドペーパー(#80、#120、#240、#400)
・サンドペーパー当て木
・蜜蝋ワックス(6ml)
・ワックス塗り用ペーパー
・ワックスふき取り用ペーパー
・レザーストラップ
・収納用巾着袋(麻製)
・ククサの作り方(上級者向け)説明書
付属品以外に、準備が必要な工具はこちら。
・クラフトナイフ:全体の成形のため
・糸のこぎり、のこぎり(不要な部分をざっくりと切り落とすためなので、なくても問題ありません)
※固定用に「クラフトクランプ」もあると便利です(今回は使用していません)
ククサDIYキット(上級編)作り方
それでは、作っていきます。ワクワク!!
ステップ1:下書きする
まずは持ち手や飲み口、底面のデザインをイメージして、鉛筆で下書きをします。完成したククサの上から見た様子、横から見た様子を想像して輪郭を描いていきましょう。
私は取っ手部分が丸くて、コロンとしたイメージのククサを作りたかったので、柄の部分は短く丸めるように描きました。下書きは後から書き直せますが、ここで細かく設計したり、イメージを固めておくと無駄なく思い通りのククサが出来上がると思います。
・持ち手編
手にフィットするように持ち手の幅や長さ、厚みを調整。私は持ち手部分を短く、丸っこくしたかったので端から約1.5cm分切り落とすように下書きしました。
・飲み口・側面・底面編
飲み口と底面には、それぞれ厚みや底面の大きさを決める円を、側面には角をどれだけ削るか決める線を上下に1本ずつ、カップ部分から持ち手まで一周描きます。
飲み口の厚みは、くり抜き部分の周りに丸く引く線と、側面上部に引く線で決まります。薄くしたい場合は丸を狭く、側面上部の線をカップの中央寄りに引きましょう。
カップ部分を丸くしたい場合も、側面下部の線を中央に近づけて引きます。
私は削り部分が増えることにビビッて、側面の線を浅めにしましたがもう少し中央付近にしたらよかった...と作り終わった後に思いました。コロンよりボテッとしたフォルムになりました(笑)
・ククサのデザインはいろいろ!
「ククサ」や「ククサカップ」と検索すると、完成形の画像がたくさん出てくるので一度調べてみてください。持ち手の長さや形、指穴の大きさ(フックのようにカットして穴を無くすのもあり!)、成形した後に表面にワンポイントを彫ったり、表面を彫ってぼこぼこさせたりするのも素敵です。
ちなみに、Newieで販売中の「ひだの森 飛騨産ブナのククサ」の各部のサイズは下記の通りです。
ステップ2:持ち手を削る(所要時間:7時間)
下書きをしっかり書いたら、いざ、クラフトナイフで削っていきましょう!
ケガに気を付けて、削りやすい方向を探して黙々と削っていきます。
ナイフを支える親指にマメができて、痛くなってきたところで糸のこ登場!
あまりにも果てしなかったので、ざっくり削れる部分は糸のこで、残りをナイフで作業することとしました。
糸のこをフル活用しつつ作業を進めること7時間、ついに持ち手部分が完成しました!
ステップ3:飲み口・側面・底面を削る(所要時間:6時間)
下書きに沿って、上下の円と側面の線をつなぐように削っていきます。
飲み口や底面が終わったら側面へ。届いてそのままの状態だと、表面がザラザラしているので、下書きで削る予定ではない箇所も一度薄くナイフを通すのがおすすめです。このひと手間が仕上がりの美しさを左右します!
全体の成形が終わりました。
ナイフ作業はここで終了!次のステップに行く前に削り忘れがないかチェックしてみましょう。
チェックポイント
・思い通りの形にできているか?
やすり作業で形を変更することは出来ません。理想の形になっているか、もう一度確認しましょう。
・刃の跡による段差がないか?
深い跡は、傷として残ってしまうのでナイフで綺麗に削ってしまいましょう。ささくれ程度であれば、やすりで消せるのでそのままでも大丈夫です。ナイフ作業お疲れ様でした!
ステップ4:表面が滑らかになるまで全体をやすりがけする(所要時間:2時間)
付属の80番のサンドペーパーを当て木に巻き付けて、全体をやすりがけします。やすりがけは木の繊維を傷つけないように、木目に沿って行いましょう。
ナイフの跡や、表面のざらつきが見えなくなるまで綺麗にこすります。持ち手の上の部分や指穴、底面もお忘れなく。仕上がりをツルツルにしたいなら、これでもか!というくらいこすってください!
刃の跡が深すぎて上手くやすりがけ出来ない箇所や、しっくりこない部分は、クラフトナイフでやり直してもOKです。
※カップの内側は、合成漆塗りを施しているのでやすりがけは不要です
ステップ5:面取りを行う(所要時間:10分)
全体がツルツルとした手触りになったら、120番のサンドペーパーをステップ4と同様に当て木に巻き付けて面取り作業を行います。
角張っている飲み口や底面、持ち手部分にやすりをかけて丸みを出していきましょう。この作業はお好みで加減を決めてOKです。角を多く残すと武骨でワイルドな雰囲気に、丸く整えると優しい雰囲気に仕上がります。
ステップ6:仕上げ磨きをする(所要時間:30分)
やすりを使った作業はこれで最後!240番のサンドペーパーで全体を磨きます。
ステップ4,5で整えた表面をさらに磨くことで触り心地がよくなり、次の工程で行う蜜蝋のコーティング作業がやりやすくなります。当て木は使わず、指の腹を曲面に沿わせて磨きましょう。全体的にやすりをかけて、表面の滑らかさが均一になったら次の作業に移ります。
ステップ7:蜜蝋ワックスを全体に薄く広げて塗り込む(所要時間:10~20分)
表面についた削り粉やカスをティッシュや布で拭き取り、蜜蝋ワックスを塗ります。
蜜蝋ワックスは粘土が高いので薄く広げるのが難しいかもしれませんが、ムラなく塗り込んでいきましょう。コツは本体を縦に持って飲み口の頂点から、持ち手に向かって縦方向に蜜蝋を伸ばしていくことです。
これはククサの原料である木がまだ森に生えていた時、この方向に水を通す道管が流れていたからです。道管に沿ってワックスを塗り広げると、より浸透しやすくなるため、塗りやすさが増します。
またこの段階で、表面にざらざらした部分や気になる面が出てきたら、手直しをしても問題ありません。
ざらざらの正体は削り残し。ここにワックスを塗ると、上手く塗り込めずにザラザラとして触り心地も見た目も損ねてしまいます。
ステップ8:十分に乾燥させて、完成!(所要時間:1日程度)
全体にワックスを塗り広げたら、青色のワックスふき取り用ペーパーで余分なワックスを拭き取ります。その後は直射日光の当たらない場所で、1日ほど乾燥させて完成です。
初めてでも楽しく作れた
4日間かけて作った、ククサ。クラフトナイフを使うのすら初めてだったので、持ち手を作る工程はかなり苦戦しました。それでも夢中になって削っていると、ナイフの持ち方や木目の向きなど慣れてきてどんどん楽しくなりました!完成したククサは、持ち手が丸くボテッとしていて柔らかい雰囲気に仕上がって満足です。表面のざらつきも気になりますが、今回はここでいったん完成。気になる部分を直しつつ、理想のククサを追求していきたいと思いました。ククサ作り、木工クラフトの奥深さを知ることができてよかったです!ぜひ一度挑戦してみてください!